単品で買うか、月額の読み放題にするか。これは好みの問題ではなく、計算で決まります。必要なのは二つの数字だけです。
- 必要な数字は二つだけ
- 分岐点の計算式
- 計算に入れ忘れやすいもの
- 読む量が月ごとに変わる場合
- 金額以外で判断が変わる点
必要な数字は二つだけ
分岐点を出すのに要るのは、次の二つです。
- 月に読む冊数
- 1冊あたりの平均単価
この二つを掛けた金額が、単品で買った場合の月額です。これを読み放題の月額と比べれば、どちらが安いかが出ます。それだけです。
冊数の数え方
ここでつまずく人が多いので補足します。「読みたい冊数」ではなく「実際に読んだ冊数」を数えてください。
読み放題に入ると読む量が増える、と考える人がいますが、増えるのは最初の1〜2か月だけであることが多いです。生活の中で漫画に使える時間は決まっているので、そこが上限になります。過去3か月で実際に何冊読んだかを数えるのが、いちばん現実に近い数字です。
単価の出し方
直近で買った数冊の金額を平均してください。作品によって幅がありますが、自分がよく買う種類の本の平均が分かれば十分です。
分岐点の計算式
単品で買う場合の月額 = 月に読む冊数 × 1冊あたりの平均単価
この金額が読み放題の月額を上回っていれば、読み放題のほうが安くなります。
分岐点の冊数 = 読み放題の月額 ÷ 1冊あたりの平均単価
この冊数より多く読むなら読み放題、少なければ単品購入です。
単価が高いほど、分岐点は低くなる
当たり前ですが、重要な性質です。高い本ばかり読む人は、少ない冊数でも読み放題のほうが安くなります。逆に、安い本を選んで買っている人は、かなりの冊数を読まないと逆転しません。
つまり、同じ冊数を読んでいても、何を読んでいるかで結論が変わります。フルカラー作品や分量の多い作品を好む人ほど、読み放題が有利になりやすいということです。
計算に入れ忘れやすいもの
1. 対象外の作品を買う費用
読み放題に入っても、対象外の作品は別途買うことになります。読みたいものの一部が対象外である場合、実際の支出は「月額+単品購入分」になります。
この点を入れずに計算すると、実際より読み放題が有利に見えます。自分が読みたい作品のうち、どれくらいが対象になっているかを事前に確認しておく必要があるのは、このためです。
2. 手元に残したい本の購入費
読み放題で読んだ本は手元に残りません。気に入った作品を残したい場合、別途購入することになります。これも実際の支出に含まれます。
3. 契約していない月
読む量が月によって変わる人は、読まない月にも月額が発生します。年間で見たとき、読まなかった月の月額は無駄になります。
読む量が月ごとに変わる場合
毎月一定の量を読む人は少数派です。忙しい月は読まず、時間のある月にまとめて読む、という人のほうが多いはずです。この場合、単純な月あたりの計算では判断できません。
月額のサービスは、多くの場合いつでも解約できます。読む時間が取れる月だけ契約し、忙しい月は解約する、という使い方が可能です。
この使い方をすると、年間の支出は「読んだ月の数 × 月額」になります。年12か月ぶん払う前提で計算する必要はありません。
ただし、解約すると読み放題で読んでいた作品は読めなくなります。読みかけのまま解約すると、次に契約するまで続きが読めません。
年間で計算し直す
月ごとに変動する人は、年間で計算するほうが実態に合います。
| 比べるもの | 計算のしかた |
|---|---|
| 単品購入(年間) | 年間に読んだ冊数 × 平均単価 |
| 読み放題(通年契約) | 月額 × 12 + 対象外の作品の購入費 |
| 読み放題(読む月だけ) | 月額 × 契約した月数 + 対象外の作品の購入費 |
金額以外で判断が変わる点
ここまで金額の話をしてきましたが、金額だけで決めるべきではない点もあります。
手元に残るかどうか
単品購入の最大の利点は、買ったものが残ることです。読み放題は、契約が終われば読めなくなります。同じ作品を何度も読み返す人にとっては、この差は金額より大きいことがあります。
試せるかどうか
読み放題の最大の利点は、外れても損失がないことです。知らない作家を試す、読んだことのないジャンルを覗く。この行動が費用を気にせずできるのは、単品購入では得られない性質です。
好みが定まっている人ほど単品購入が向き、好みを広げたい人ほど読み放題が向く、という傾向があります。
読み方の相性
読み放題は、次々に読む読み方と相性が良い仕組みです。逆に、1冊をゆっくり何度も読む読み方をする人は、読み放題の性質を活かしきれません。この場合、冊数が少ないので計算上も単品購入が有利になります。
判断の手順
1. 過去3か月に実際に読んだ冊数を数える。
2. 直近で買った本の平均単価を出す。
3. 掛け算して、読み放題の月額と比べる。
4. 自分が読みたい作品のうち、どれくらいが対象になっているかを確認する。
5. 手元に残したいかどうかを考える。残したいなら、その分の費用を別に見込む。
6. 月ごとに読む量が変わるなら、読む月だけ契約する形も検討する。
実際の数字で確かめる
計算式だけでは掴みにくいので、考え方を具体的に整理します。
1. 直近3か月に読んだ冊数を数える。購入履歴を見れば分かります。3で割れば、月あたりの冊数が出ます。
2. 同じ履歴から、支払った合計額を出す。冊数で割れば、平均単価が出ます。
3. 月あたりの冊数 × 平均単価を計算する。これが、いまの買い方での月あたりの支出です。
4. 読み放題の月額と比べる。ここで初めて、どちらが安いかが判定できます。
ここで大事なのは、推測ではなく履歴を使うことです。「だいたい月3冊くらい」という感覚は、実際の履歴とずれていることが多くあります。多めに見積もると読み放題が有利に、少なめに見積もると単品購入が有利に見えます。
この判断は、あとから変えられる
ここまで計算の話をしてきましたが、最後に付け加えておきたいことがあります。この判断は一度きりのものではありません。
月額のサービスは、多くの場合いつでも解約できます。したがって、迷っているなら1か月だけ試して、実際に何冊読んだかを数えるのが、もっとも確実な判断材料になります。1か月分の月額は、判断を間違えて1年間払い続ける金額より、はるかに小さい額です。
ただし、試す前に「自分が読みたい作品が対象になっているか」だけは確認しておいてください。ここが外れていると、1か月試しても正しい判断材料になりません。
この記事のまとめ
単品購入と読み放題の損得は、月に読む冊数と平均単価だけで決まります。感覚ではなく購入履歴から数字を出してください。計算に入れ忘れやすいのは、対象外の作品を買う費用、手元に残すための購入費、読まない月の月額の三つです。読む量が月ごとに変わる人は、読む月だけ契約する形も検討できます。判断は一度きりではないので、迷うなら一か月試すのが確実な材料になります。
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